ASCO(米国臨床腫瘍学会)報告

 

ASCO ( American Society of Clinical Oncology ) 総会は、100か国以上から約35,000人の参加者が集う世界最大、最高峰の臨床腫瘍の学会です。日本語に訳すと、“米国臨床腫瘍学会”となりますが、がんを専門とする医師たちが集う、世界でもっとも権威のある学会です。

ASCO ( American Society of Clinical Oncology )は1981年に創立され、今年で30年になります。ASCOより古くからあったAACR( American Society of Cancer Research 米国癌学会) は今年で70年になります。

 

当院が参加し始めた頃のASCOは、AACRと同じ会場でAACRに引きつづいてASCOが開かれるという形でした。1995年頃からAACRとASCOは別会場で開かれるようになり、ASCOはさらに大きな学会となり、今では参加者数50, 000人、会員数も30,000人を越える巨大な学会となりました。AACRはその基幹雑誌はCancer Researchですが、ASCOの基幹雑誌はJournal of Clinical Oncologyで、そのImpact factorは18になろうとしております。

防衛医大を退官して荒幡でがんクリニックを始めて3年目でようやく症例が集まり、2009年のASCOにはweekly bevacizumab + doxilによる再発、耐性卵巣がんに対する治療効果について演題を提出したところGeneral poster sessionに採用されました。

実は、ASCOでの発表は大変厳しく、5,000題を越える応募演題のなかから約70%が採用となりますが、そのうちの約半分2500題はePosterで抄録発表のみで、会場で発表できるGeneral poster sessionに選ばれるのは35%程度ということになります。

そして、2010年には、卵巣明細胞腺がんにmTOR阻害剤のtemsirolimuを投与したところ効果があることを見つけ、僅かに6症例の報告でしたが、General poster sessionに選ばれました。そして2011年にも再発子宮頸がんに対するweekly bevacizumab+paclitaxel/carboplatin with or without sorafenibの効果をまとめて演題を提出し、また再発、難治性卵巣がんに対するweekly bevacizumab+doxilの効果を39例に増やして提出し、2演題とも採用されました。

ここに選ばれることは大変名誉なことで5,000を越す応募演題の中から100題前後しか選ばれません。

同じ分野の臨床医たちが同じ会場に集まり、Poster discussion sessionに選ばれた演題は、米国を代表する医師によって一題一題紹介され、その演題の良い点、足りない点、等の講評がなされることになります。

 

ASCOの会場は例年イリノイ州の都市シカゴのマコーミック・プレイスという、幕張メッセの2倍の大きさを有する会場で行われています。ここは世界一の大きさといわれ、会場の端から端まで歩いて30分もかかります。

 

 

以下に、ASCOでポスター発表として選ばれた当クリニックの治療成果の内容を、年度ごとに掲載しました。

 

●2009(平成21)年 再発、耐性卵巣がんに対するアバスチン+ドキシルの週投与による治療効果  
●2010(平成22)年 卵巣明細胞腺がんに対するmTOR阻害剤のテムシロリムスによる治療効果 こちらをクリック
●2011(平成23)年 ・再発子宮頸がんに対するアバスチン+パクリタキセル/カルボプラチンにソラフェニブを加えるか加えないかによる週投与の効果
・再発、難治性卵巣がんに対するベバシズマブ+ドキシルの週投与による効果

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●2014(平成26)年 ・再発卵巣明細胞がんに対するテムシロリムス+トラベクテジンの効果、リプチン併用療法の効果
・再発子宮平滑筋肉腫に対するテモゾロミド+ベバシズマブ併用療法の効果
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●2015(平成27)年 ・プラチナ耐性卵巣がん患者における、アバスチン、エリブリン、および、オキサリプラチンの週投与卵巣の再発性透明細胞癌に対するテムシロリムスおよびトラベクセジンとの併用療法:バイオマーカー分析による第II相の研究
・卵巣の再発性明細胞がんに対するテムシロリムスおよびトラベクテジンとの併用療法:バイオマーカー分析による第II相の研究
・強力な耐性を有する子宮平滑筋肉腫患者におけるテモゾロミドとアバスチンに対するカボサンチニブの併用効果
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●2016(平成28)年 AACR(米国癌学会)にてポスター発表
強力な耐性を有する子宮平滑筋肉腫患者におけるとテモゾロミドおよびベバシズマブに対するカボサンチニブの効果。
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●2017(平成29)年 再発卵巣がんに対するベバシズマブ+エリブリン+オキサリプラチンの併用療法の効果 こちらをクリック
●2019(令和元)年 ・再発明細胞腺がんに対するテムシロリムスとトラべクチンによる併用投与
・血清IL-6レベルの再発・難治性婦人科がん治療におけるサルコペニアとその予後を予測する
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